病院と在宅の違いはなんとなくわかるけれど、「疾患をみる以外に、訪問看護では何をみているの?」「どんなことに気をつけて訪問しているの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。訪問看護は、利用者さまの「いつもと違う」に気づく仕事です。 今回は、アップルパイ訪問看護ステーション/わかちな訪問看護ステーションが、日々の訪問で大切にしていることも含めて、解説していきます。 小さな違和感を見つける訪問看護では、利用者さまの「いつもと違う」に気づくことが大切です。 それは、本人やご家族も気づいていないような、ごく小さな変化かもしれません。バイタルサインや症状だけでなく、顔色や表情、声の調子、会話の内容、部屋に入った瞬間の空気感や物の配置など、「そんなところまで?」と思うようなことにも注目します。いつも置いてあるものが違う場所にある、部屋の様子が少し違うなど、何気ない変化が生活や体調の変化を表していることもあります。だからこそ私たちは、一つひとつの小さな違和感を見逃さず、その背景に何があるのかを考えながら、利用者さまの変化を捉えていきます。 私たちがみているのは「疾患」だけではない私たちは医療従事者として、専門的な知識や技術をもって利用者さまをみています。しかし、それは「疾患」だけをみるということではありません。病院が治療を行う場であるのに対し、在宅は利用者さまが日々の暮らしを営む「生活の場」です。そのため、先にも述べたとおり、普段の生活や様子を知っていることが、「いつもと違う」という小さな変化に気づくことにもつながります。私たちは、生活の場におじゃましている立場であることを忘れず、その人の暮らしや価値観にも目を向けます。医療従事者にとって「これが正しい」と思うことが、利用者さまにとって必ずしも正解とは限りません。その人の生活を知るからこそ見えてくる変化もあります。 今日必要なことを考える訪問看護では、疾患や症状をみるだけでなく、その日の利用者さまの状態や希望に合わせて、ケアの内容や時間配分を考えることも重要です。食事・排泄・清潔ケアなど、生きるうえで優先度の高いケアはありますが、毎回同じことを同じように行えばよいわけではありません。たとえば、家にある物品を工夫して使用することもあれば、利用者さまが「今日はゆっくり話したい」と希望すれば、必要なケアを優先しながら話を聴く時間をとることもあります。家族から話を聞きたい場合は、別のタイミングで調整します。 在宅は病院のように設備が整っているわけではないため、その人の生活や環境に合わせた工夫も求められます。訪問看護には、その日の「必要」に応じて動ける、さまざまな「引き出し」を持っておくことが大切です。 一人で「推測・行動」して終わらせない訪問中に気づいたさまざまな変化や、自分が行ったケアを、自分の中だけで完結させることは絶対にしてはいけません。確かに訪問看護は、一人で利用者さまのもとへ訪問し、その場で考えて行動することが多い仕事です。しかし、訪問看護は一人で行っているようで、決して一人ではありません。利用者さまを取り巻く環境は多岐にわたり、事業所のスタッフをはじめ、主治医、ケアマネジャー、ヘルパーなど、さまざまな人が関わっています。自分が持っている知識や技術だけでは、利用者さまの生活すべてをみていくことはできません。気づいたことやケアの内容を共有し、それぞれの専門性を活かしながら、足りない部分を補い合うことが欠かせません。そうして多職種でつながり、一人ひとりの利用者さまをみていくことに、訪問看護の意味があるのです。 まとめ訪問看護は、利用者さまの疾患や症状だけでなく、日々の小さな変化に気づき、その日の状態や希望に合わせて必要なケアを考えていくことが大切です。そして、気づいたことを一人で抱え込まず、多職種と共有しながら、その人らしい生活を支えていきます。 アップルパイ訪問看護ステーション/わかちな訪問看護ステーションでは、随時見学・面談を実施しています。私たちと一緒に、利用者さまの「できない」を「できる」に変える訪問看護をしてみませんか?