訪問看護についてお話しする中で、「看護師さんは担当制ですか?それともチーム制ですか?」と聞かれることがあります。訪問看護ステーションによって、その体制はさまざまですが、私たちアップルパイ訪問看護ステーション/わかちな訪問看護ステーションの看護師は「チーム制」を採用しています。(リハビリは担当制を採用)今回は、なぜ私たちが看護師の体制として「チーム制」を選んでいるのか、その理由やチーム制だからこそ生まれるメリットについてご紹介します。 訪問看護における「担当制」と「チーム制」多くの訪問看護ステーションでは、看護師の体制として「担当制」または「チーム制」を採用しています。 担当制とは、一人の利用者さまに対し、主担当となった看護師が一貫して訪問する体制です。一方、チーム制とは、一人の利用者さまに対し、複数の看護師が訪問する体制を指します。 ひと昔前は、訪問看護といえば担当制が主流でした。一貫したケアを提供でき、利用者さまとの信頼関係が築きやすい一方で、依存関係になりやすい、情報共有がしにくい、休みが取りづらいといったデメリットもあります。加えて、24時間体制のオンコールや土日営業など、担当制だけでは補いきれない部分も増えてきました。 もちろん、チーム制にも課題はあります。ある程度の看護師の人数が揃わなければ体制として成り立ちにくく、複数人が関わる分、情報が錯綜しやすいため工夫が必要です。アップルパイ訪問看護ステーション/わかちな訪問看護ステーションでは、ICTを活用した情報共有や密なミーティング、スタッフ同士が相談しやすい環境づくりで、こうした課題を補っています。 チーム制だからこそ生まれる4つのメリット チーム制には課題もありますが、それを上回るメリットも数多くあります。ここでは代表的な4つを紹介します。 ①さまざまな視点から、利用者さまをみることができる複数の看護師が利用者さまをみることで、それぞれの視点から状態を捉えることができます。一人の看護師が継続して訪問すると、その人の経験や価値観に判断が寄りやすく、ケアが属人化することもあります。だからこそ、さまざまな経歴を持つ看護師が意見を出し合い、一人で判断するのではなく、多角的な視点から利用者さまを支えることが大切です。そうすることで、偏った判断を防ぎ、ちょっとした変化や異常の早期発見にもつながります。 ②困ったときに相談でき、抱え込まずに働けるチームで動くことで風通しがよくなり、困ったときに相談しやすい環境が生まれます。訪問看護未経験の方が不安に感じやすいのが「訪問先で一人で判断すること」ではないでしょうか。訪問看護は一人の利用者さまとじっくり関わることができる一方、1対1の状況が悩みや判断を抱え込むきっかけになったり、最悪の場合は依存関係につながったりすることもあります。チームで関わることで「○○さんのことなら、あの人も知っている」という安心感が生まれ、また訪問をローテーションすることで気持ちをリセットすることにもつながります。実際に私たちの事業所でも、「○○さんがこんなことを言っていた」「今日はこんな状態だったけど、前回はどうだった?」といった会話から自然とカンファレンスがはじまります。看護師だけでなくリハビリスタッフも交え、職種の壁を越えて相談できる環境があることも、チームで利用者さまを支える大きな強みです。 ③経験や知識をチームで共有し、成長を支えられる 訪問看護ステーションには、さまざまな経歴のスタッフが集まっています。チームで利用者さまをみることで、それぞれの経験や知識を共有し、経験の差を埋めることができます。「経験の差を埋めるなら、ベテラン看護師が訪問した方がよいのでは」と思う方もいるかもしれません。確かに、初回訪問や状態悪化時には、経験のある看護師が訪問した方がよい場合もあります。しかし、先にも述べた通り、一人の看護師が継続して訪問するとケアが属人化しやすく、経験が豊富であるほど自身の価値観が反映されやすい面もあります。また訪問看護では、知識や技術以上に「コミュニケーション能力」や「人柄」が重視されることもあり、こうした部分は経験の浅い看護師から学ぶこともあります。さまざまな看護師がチームになることでお互いに刺激を受けて成長し、それが看護の質の底上げにつながり、結果的に利用者さまのためになるのです。④休みやオンコールにも対応しやすく、無理なく働ける 複数の看護師で利用者さまをみるチーム制は、休みが取りやすく、オンコールにも対応しやすいことが大きなメリットです。特にオンコールでは、チーム内で利用者さまの情報を共有しているため、「知らない利用者さまからの電話に対応する」という不安を減らすことができます。もし判断に迷うことがあっても、普段から利用者さまを知っているスタッフに相談できるため安心です。また、経験の浅い看護師がオンコールを担当する際にも、チームでフォローしやすく、無理なく経験を積める環境が生まれます。 まとめ訪問看護におけるチーム制は、複数の看護師で利用者さまをみることで、さまざまな視点から状態を捉え、経験や知識を共有しながらケアの質を高められる体制です。また、困ったときに相談でき、休みやオンコールにも対応しやすいため、スタッフが無理なく働くことにもつながります。アップルパイ訪問看護ステーション/わかちな訪問看護ステーションは、チームで支え合い、職種の壁を越えて意見を出し合える環境を大切にしています。自然とカンファレンスがはじまるのも、日頃から相談し合えるチームだからこそです。これからも、スタッフが安心して働きながら、利用者さまによりよいケアを届けられるチームを目指していきます。