みなさんの周りにも、「なぜかいつも目を惹くな」と感じる看護師さんはいませんか?その人は、看護師としての経験が特別長いわけではない。訪問看護も初めて。それなのに、なぜ利用者さまからの信頼が厚いのでしょうか。訪問看護では、知識や技術だけでなく、利用者さまとの関係を築く力も大切です。そして、その力は必ずしも経験年数に比例するものではありません。そこで今回は、「この看護師さんは信頼されているな」と感じる人の関わり方から、訪問看護における信頼関係について紹介します。 「否定されない」という安心感利用者さまと信頼関係を築いている看護師は、まず利用者さまの言葉や希望を「否定」せずに受け止めます。それは、訪問看護が病気だけを見るのではなく、その人の生活を守るためにあることを理解しているからです。たとえば、血糖コントロール中でも甘いものを食べたい方、転倒リスクが高くても外出したい方、呼吸状態が悪くても自宅のお風呂に入りたい方もいます。病院では安全のために制限されることでも、在宅では方法を工夫することで、できる場合があります。 もちろん、生活を大切にするからといって、命に直結する危険まで受け入れるわけではありません。だからこそ、医療の知識や技術を持つ私たちが、危険を見極めながら「どうすればできるか」を一緒に考えます。「この人になら何でも話せる」という安心感が生まれると、希望だけでなく、ちょっとした体調の変化や何気ないことも話してもらえるようになります。その一言が、異常の早期発見につながることもあるのです。 「続けて」関わるからこそ生まれる信頼 前章でお伝えしたように、利用者さまに「否定されない」という安心感を持ってもらうことは、信頼関係づくりの第一歩です。そこからさらに信頼を深めていくために大切なのが、「続けて」関わることです。 訪問看護では、同じ利用者さまと長期的に関わることも多く、なかには5年以上のお付き合いになる方もいます。病院で同じ看護師がそこまで長く関わるケースは、そう多くありません。毎週のように顔を合わせ、これまでの状態や生活を知っているからこそ、「今日は少し元気がない」「いつもと何か違う」といった些細な変化にも気づきやすくなります。変化の前触れがわかれば、早めに対応し、体調悪化を予防できることもあります。 「この人になら何でも話せる」という安心感が、やがて「この人は自分のことをよく知っている」という信頼に変わっていきます。自分のことをよく知っている看護師が、毎週そばで見てくれる安心感は、看護師としての経験年数だけでは測れない、訪問看護ならではの価値と言えるでしょう。本当の意味で「関心を持つ」ということ 利用者さまを看護するとき、看護師は何に関心を持っているでしょうか。バイタルサインや症状、顔色など、身体の状態をみることはもちろん大切です。これらは看護師として当たり前に確認すべきことでもあります。 しかし、利用者さまとの信頼関係を築くことが上手な看護師は、そこだけではありません。「この人はどんな人生を歩んできたのだろう」と、利用者さま本人にも関心を持っています。 年齢や生まれ故郷、これまでの仕事、趣味、家族との関係など、その人の背景を知ろうとする。病院でも個別性を大切にした看護は行いますが、訪問看護では、その人の生活や価値観がより直接的に関係し、同じ疾患であっても、ケアの仕方は異なってきます。何気ない言動や習慣にも、その人なりの理由があります。 そこに目を向けることで、表面的な言動だけでは見えなかった「なぜ」が少しずつ見えてきます。そして、「自分のことを知ろうとしてくれている」と感じてもらえることが、本当の信頼につながっていきます。 まとめ訪問看護で利用者さまとの信頼関係を築くために必要なのは、看護師としての経験年数や知識・技術だけではありません。利用者さまの言葉を否定せずに受け止めること、継続して関わることでその人の「いつも」を知ること、そして病気や症状だけでなく、その人自身に関心を持つこと。こうした一つひとつの積み重ねが、「この人なら安心して任せられる」という信頼につながります。 アップルパイ訪問看護ステーション/わかちな訪問看護ステーションでも、利用者さまの生活や価値観を大切にしながら、一人ひとりと丁寧に関わることを心がけています。経験年数だけでは測れない、その人らしい強みや人との関わり方も、訪問看護では大切な力です。 「人と関わることが好き」「目の前の利用者さまをもっと知りたい」という思いをお持ちの方は、ぜひ私たちと一緒に、その人らしい生活を支える看護をしてみませんか?